青木 正夫 プロフィール
- 長年に亘る絵本研究と、その専門指導に関わる。
絵本の考え方と表現に関するオリジナルメソッドにて講義を行う。 - 著書に「表現技法の基礎Ⅰ」「表現技法の基礎Ⅱ」「構成研究」(いずれもアトリエ社)「材料組織と歴史」連載(月間イラストレーション:玄光社)
- 画家 東京芸術大学卒業 武蔵野美術大学名誉教授
- 門下生として多くの絵本作家を輩出し、ボローニャ国際絵本原画展に入選へと導く。
講師より
「創作絵本を求めて」
まず、新しい絵本をつくり出す原動力となるそうぞうについて考察してみよう。そうぞうには、2つの文字・意味があり、そのひとつは想像で、もうひとつは創造である。
想像は、それぞれの人が生きる過程で、五感を通し体感してきたものが複合化して、事物(種々の出来事)、事象(事の成り行き、変化)に触れた時、imaginationとなり心に浮上する精神的世界観である。すなわち新しい発想をつくり出すアイデアエッセンスである。
創造は蓄積された内的イメージを、それぞれの新しい方向で具体的に形象化される行為である。
このふたつの関係は、つねに連動し、思いもよらない表現そして感動を呼び起こすきっかけとなる。
そのためには、感性のアンテナをフルオープンにし、事物、事象に接したとき、互換機能である、見る・味わう・触れる・聞く、そして身体の稼働範囲をさらに広げつつ、やがて年月を経て清水が湧き出るがごとく豊かなidea(着想、思いつき)となり、絵本づくりは勿論のこと各分野で豊かな創造あるものに触れることができるのである。